RECORD

Eno.282 マキの記録

人の話からしか得られない栄養素

 
……っていうけど
なにかよろしくない白い粉のと同じ嗜み方で
人の恋の話を聞きたがる人がいるとは思わなかった。
恋は盲目って言うけどあれはどっちかというと……うん……
食いつき具合にぎゅーまおねーさんに助けを求めたけど
おねーさんもそっち側だった。
アルミホイルの概念にのせてライターの概念で炙ってストローの概念で吸うって……
まだまだ世界は広い。アヤはそう思うことにしました。

サミュ君はサミュ君でお酒で楽しくなってて色々話してたし
ブランデー?ラム酒みたいな香りがして、
誰かがこぼしたラム酒を何とか舐めようとしていたのを思い出す
……その時はアヤも嗅ごうとしてたから懐かしいね、って話すことはないけど。

それからサミュ君は指輪とお守りを買おうとしてるみたい。
ここで稼ぐのは大変そうだから
もしアヤに買おうとしてるなら無理はしないでほしい。
きっと元の世界に帰ったらまた大変だから
ここにいる間くらいは狙われる危険とか考えないで楽しんでほしいな。


ここでの過ごし方にそれぞれ慣れてきたのか
すこしずつ、なにかが
……私は、「いい人」でも、力がある「なにか」でもないけれど
潮が引いて見えた貝で足を切る人がいないように
切った人にハンカチを渡せるように
ちょっとだけなにかできる、人になりたい
わかんない。悪意はどこまでも深いし
世界の数だけ秘密や仕組み、運命があること
たった一人じゃ、簡単に流されるけど
わたしは、わたしと笑ってくれる人に
……それこそ身の程知らず、だね