RECORD

Eno.509 クロア=ユレーアイトの記録

手記

日記、というものをつけてみることにする。
私にとって日常というものは然程価値のあるものではなく、
記憶というものも重視すべきものでもないのだが、
魔力を回復する間の手慰みには丁度いいのかもしれない。

ひとまずは、この世界を見た所感をまとめてみる。
一部の住人(※この世界では闘士と呼ばれている)曰く、
この世界での闘技大会はどうやら2度目の開催らしい。
前大会でもいろいろなことがあったと、一部の住人が話していた。
この世界は意思のようなものを持ち、戦う者を選んで引き込むという力を有している。私を含め、いくつかの住人はそうしてこの世界を訪れている。
世界が戦力を求める、という風にも見て取れるため、闘技の裏に何か目的があるのかもしれない。
何も信用してはいけない。様子を見て、この世界の姿を見極めようと思う。

それはそれとして。高純度の『魔晶石』をここで見ることができるとは思っていなかった。余裕があれば、いくつか手にしておきたいところだ。杖の核にしてもいいし、取り込んでも良い。私という形が変わってしまう可能性はあるが、間違いなくより強い存在になれるはずだ。







なぜ、私は闘争を求めるようなことを書いている。
熱に当てられた?いや、もともと心を持たない私にそれはありえない。
法則の上書き、認知の適用、世界マクロから個体ミクロへの調整。
十分にあり得る話だ。武器を手に取り、争いたくて仕方がなくなる。そういう思考に「させられている」。
最悪は、自己の破棄を視野に入れなくては。
無意識に干渉されるのは、あまり気持ちの良いものではない。