RECORD
Eno.379 『流浪の英雄』の記録
『友愛の騎士』
むかしむかし、とある世界にとある国に、一人の騎士がおりました。
騎士はたいそう勤勉で、仲間達といつも鍛錬に励んでおりました。
突出した才能こそなかったものの、諦めない心と誰にでも親愛を持って接する彼の姿は周りに人を集めました。


騎士は仲間と切磋琢磨し、お互いを知って連携を高め、遂にはその国の中で一番強い騎士団だと認められるようになりました。
そんな名誉を仲間と喜ぶ中で、国に大きな危機がやって来ました。
とある巨大な魔獣が目覚め、この国に向かってきたのです。
それを聞いた騎士と仲間達は、命を懸けて魔獣へと立ち向かいました。
決して非凡ではない彼らはその魔獣に蹴散らされ、もう無理なのだと諦めかけた時。

そんな騎士の声が高らかに響き、仲間達は闘志を蘇らせます。
騎士は今まで見てきた仲間達の個性から、挽回の作戦を導き出しました。
互いを信じていた仲間達と騎士はボロボロになりながらも戦い抜き、最後には魔獣の息の根を止めたのです。
皆を導いた騎士の命と、引き替えに。
国民も仲間達も、救われたのを喜ぶと同時に、誰もが国を救った騎士の喪失を悲しみました。
そして最期まで諦めず、仲間達を勝利に導いた彼のことを忘れぬ為に、石碑にその功績を刻んだのです。
こうして人々から愛された友愛の騎士は、この国の人々に長く長く語り継がれる存在になったのです。
そんな昔話が語られるその国に、またも危機が襲ったのです。
押し寄せる魔獣の群れに屈するしかないかと思われたその時、その“英雄”は現れたのだとか。
結わえた金色の髪を靡かせて、奥深い青色の瞳を持った騎士。
まるでかの『友愛の騎士』そのもののような彼は、国の騎士達とすぐに打ち解けては魔獣に立ち向かいました。
昔話のその通りに騎士達を導いて、勇敢に戦場を駆けました。
長きに渡り続いた魔獣との戦いは、今度も騎士達の勝利で終わりました。
今度こそ生きて帰ることの出来た『友愛の騎士』は人々に温かく迎え入れられました。
あの時は町中が、英雄の再来に湧いていました。
しかし『友愛の騎士』は、もっと様々な人と心を通わせ、導きたいと言ってどこかへ去ってしまったのです。


国民は最初こそそれを悲しみましたが、『友愛の騎士』のその気高い精神は、人を奮い立たせました。
人々はその想いに応える為に、より一層お互いを知る為に努めました。
こうして『友愛』を大切にするようになった国は、穏やかな平和が今も続いています。





騎士はたいそう勤勉で、仲間達といつも鍛錬に励んでおりました。
突出した才能こそなかったものの、諦めない心と誰にでも親愛を持って接する彼の姿は周りに人を集めました。

「私は決して強くはない。だけど誰かと共になら、強く在れる」

「だから私は向き合いたい。私を強くしてくれる皆と。
そして皆のことも、より強く高めていけるように」
騎士は仲間と切磋琢磨し、お互いを知って連携を高め、遂にはその国の中で一番強い騎士団だと認められるようになりました。
そんな名誉を仲間と喜ぶ中で、国に大きな危機がやって来ました。
とある巨大な魔獣が目覚め、この国に向かってきたのです。
それを聞いた騎士と仲間達は、命を懸けて魔獣へと立ち向かいました。
決して非凡ではない彼らはその魔獣に蹴散らされ、もう無理なのだと諦めかけた時。

「――――諦めるな!! 我々ならば、きっとやり遂げられる!!」
そんな騎士の声が高らかに響き、仲間達は闘志を蘇らせます。
騎士は今まで見てきた仲間達の個性から、挽回の作戦を導き出しました。
互いを信じていた仲間達と騎士はボロボロになりながらも戦い抜き、最後には魔獣の息の根を止めたのです。
皆を導いた騎士の命と、引き替えに。
国民も仲間達も、救われたのを喜ぶと同時に、誰もが国を救った騎士の喪失を悲しみました。
そして最期まで諦めず、仲間達を勝利に導いた彼のことを忘れぬ為に、石碑にその功績を刻んだのです。
こうして人々から愛された友愛の騎士は、この国の人々に長く長く語り継がれる存在になったのです。
そんな昔話が語られるその国に、またも危機が襲ったのです。
押し寄せる魔獣の群れに屈するしかないかと思われたその時、その“英雄”は現れたのだとか。
結わえた金色の髪を靡かせて、奥深い青色の瞳を持った騎士。
まるでかの『友愛の騎士』そのもののような彼は、国の騎士達とすぐに打ち解けては魔獣に立ち向かいました。
昔話のその通りに騎士達を導いて、勇敢に戦場を駆けました。
長きに渡り続いた魔獣との戦いは、今度も騎士達の勝利で終わりました。
今度こそ生きて帰ることの出来た『友愛の騎士』は人々に温かく迎え入れられました。
あの時は町中が、英雄の再来に湧いていました。
しかし『友愛の騎士』は、もっと様々な人と心を通わせ、導きたいと言ってどこかへ去ってしまったのです。

「私がいなくても、皆ならきっと大丈夫。
他者と心を通わせて、共に前に進むことが出来る筈」

「皆にはその力があることを、私は誰よりも知っているよ」
国民は最初こそそれを悲しみましたが、『友愛の騎士』のその気高い精神は、人を奮い立たせました。
人々はその想いに応える為に、より一層お互いを知る為に努めました。
こうして『友愛』を大切にするようになった国は、穏やかな平和が今も続いています。

理外の観測者
「死した者は蘇らない。
それはどんなに気高く美しく、強い者でも同じこと」

理外の観測者
「死する生き物ならば、それは逃れられぬ摂理。
どんな勇者、英雄、救世主にさえも、それは等しく訪れる」

理外の観測者
「同じ姿を携えて現れた騎士。
奇跡のようでいて、どこか不気味でもある一致」

理外の観測者
「まるで昔話を聞いた誰かが精巧に作り上げたかのよう。
偶然ではなく意図を持って――」

理外の観測者
「――――ならば彼は一体 ”誰”だったのだろう?」