RECORD

Eno.170 タブラー・ラーサの記録

ある神父の談話記録(■■■■/■/■■)

調べた限り、”アレ”はただの黒い液体ではございません、生物です。
……なんです、最近精力的に動いているという宗教団体の、[規制済み]でしたっけ、が作っってやがるというあのブツの話が聞きたいのではないのですか?……『話を先読みするな』?失礼、せっかちなもので。

……あの黒い液体、奴らは”神の血”て呼んでいるのでしたっけ、アレの主な特性はご存じでしょうか?そう、万物への浸蝕と同化です。あの液体は自分の意思で自分が付着した物の全体に浸蝕して、同化、その物が持つ能力や機能を意のままに使えるという権能を持っています。そしてその浸食された物を介してまた周りの物を浸蝕して、同化してまた浸蝕して…の繰り返しです。質の悪い増殖だと考えればよろしい。放っておいたらこの国丸ごと飲み込まれてしまうでしょうか。さながら我々が信じとるところの聖書に出てくる、文明を洗い流す大洪水の如く。箱舟は何隻作らなければならないのやら。

……ええ、そこで一番最初に言ったことに繋がります。唯の液体が意思を持って己を増やすかということです。潜入している隊員の調べによると、アメーバ並みの知性があるのではないかとのことで。

……ええ、それでも足りません。どんどん増えていく自分の一部を、機能を行使できる頭脳が足りません。でもそれは、”器”を持たない場合の話。…アレは、生き物にも浸蝕できるというのです。同化した者の脳をモノにしてしまった場合は、どうなるかわかりません。そもそもアレを受け入れられる器があるのか、という問題がありますが。

……貴方様が話そうとしていたのは、ここ最近の西部地方の誘拐事件数の件ですよね。私が話をとってしまいましたが。犯人は不明ということになっていますが、私は[規制済み]の仕業だと確定していいと思っています。

私も貴方様の提言に賛成します。早急に対処すべきでしょう。

なにもかもが、手遅れになる前に。