RECORD

Eno.401 グラスの記録

思い入れ

―――約束がある。
いや、正確には、それは義務だ。
あたしがこんな風に自由にできているのもそれのおかげで。
でも、未だに果たせていないそれに、ほんのたま~に頭を悩ませていた。

――セシルは大人しくて御しやすいだろう。
シルヴィは強かったな。パワーだけじゃなく頭も使えるけど、基本は子供らしく素直だ。
ミセリエは容姿がいい。ああいうのが好きな連中は多いだろう。
シャルルは…よくわからないけど、一筋縄じゃいかないかもしれない。
マイリーは保護者(?)もいるし…本人の力も特殊っぽいし、色々難しそう。
みんな、闘技場ここにいる時点で、それなりに戦闘力はあるはずだ。
戦える子はそれだけで、けっこういい値が付くらしい。
……あ~あ、こんな風にあの子たちのことを見てる時点で、あたしも大概なんだよな。



『あなたがもし、価値のある子どもを見つけたら』

『その時は、一度連れて帰ってきてくださいね』

『約束ですよ』

…………
きっと、先生も認める"価値"を持つ子が、ここにはたくさんいる。
連れて帰ったら、きっとすごく、喜んでくれる。
あたしにもっと価値を、感じてくれる。

……でも。うん。
やっぱだめだな。

連れて帰れない。
帰れるわけがない。
大事な弟分、妹分を。友達を。
『売り物』にするなんて。

少なくとも。
ここでは、その義務やくそく
果たせそうにないや。