RECORD
薄翅:Ⅳ
……

「……インしました、父さん」

「揃ったな」
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川越端ギンヤ
ヨウの父親。元プロゲーマーのゲーム開発者。
アバターが獣耳幼女なだけで普通に父親。

秋津サナエ
ヨウの母親。ゆるく【自然派】。
観葉植物を枯らしがち。

秋津ヨウ
この物語の主人公。
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「本題だ。
ヨウ、お前最近ゲームの比率が高いな。
成績は落ちてないみたいだが」

「落ちてないなら、よくないですか」

「まあまあ。父さんは心配してるんだよね」

「ヨウが将来何になりたいって言ってもいいように、
勉強だけは頑張ろうねって約束だったから」

「……ゲームが楽しいのは、俺には否定する資格がない。
だが、せめて節度は持ちなさい」

「……」

「……あの、父さんは。母さんでもいいけど。
お肉を食べたことはありますか。
本物の、動物の肉」

「……、母さんがたまに料理するものは、
知っての通り植物由来の合成肉だ。
数十年前ならともかく、今はあれしか流通には乗ってない」

「急にどうしたの?」

「あまり……過激なことを外では言わない方がいいぞ」

「父さんは格闘ゲームをしていたんですよね。
武器を持ったことはありますか?怪我をした痛みは。
人と戦う感覚を、感じたことは?」

「……」

「ない。俺たちが感じているものは、全てVRシステムが錯覚させているものだ。
食べ物も味覚をごまかせば完全栄養食でいいし、
痛みも重みもフィクションになったから、
争いはスポーツとして昇華された」

「ヨウはリアルの世界に遊びに出ているのか?」

「そんなはずは。ずっとスタジオの中にいるよ」

「……そう、ですよね。
ごめんなさい、気分転換ができていなくて、
最近ちょっとおかしいのかも」

「勉強に戻ります」

「あっこら、話は終わって」
──リベレがログアウトしました。

「……この年頃は難しいな。
すまない、一緒に暮らせていればもっと話ができたのに」

「ギンヤさんはよくやってるよ。
少子化対策で遺伝子だけ提供したっていうのに、ちゃんと父親もしてくれて」

「そのかわいい女の子のアバターをやめたら
ヨウも心を開くかもしれないけど……」

「俺はこれが一張羅なんだよ!」