RECORD
Eno.163 惨禍の記録
████
████が捕まった理由は簡単に言えば、傷害と殺人だった。
この世界で罪を犯す場合、その身体能力や種族背景を省みてざっくりとした量刑が与えられる。
細やかな法が追いついていないため、大体の法は旧人類の只人が残したものをそのまま運用している。
が、当然、亜人達に当てはめれないケースも多いので与えられる罪はその種族にとって厳しい内容であるよう、幾ばくかの調整がされる。
触手人はその頃には亜人種として認定が降りていた。
████は詳しくは知らないが、何処ぞの出来損ないな同胞の群れが繁殖する為に只人共を誑かしたのだと聞いている。
お陰で████は犯罪者として逮捕されることが出来た。
亜人として認定が降りていなければ魔物として即討伐が組まれていたので、命を繋ぐことが出来たのだと言える。
それでもまあ、やってる事がやってる事なので速やかに死を望まれた。
犯罪奴隷隊に配属された████はよく分からない、暗い森の迷宮に数人の犯罪者共と投げ込まれてさ迷うこととなる。
犯罪奴隷隊の協調性は最悪。当たり前だが癖も強ければ足並みも揃わず、入って早々に瓦解するチームワーク。
分不相応な探索者が危険に踏み込めば当然死に目をつけられるように、酸性粘生物は彼らを容易く平らげた。
そこで、████達に付けられていた彼らを追跡する魔道具がぶっ壊れた。彼らはそこで死んだことになったし、事実████以外は全部死んだ。
████が生き延びた理由なんか、その他全てを犠牲になりふり構わず逃げたからに他ならない。他犯罪者の体格がそこそこ良く、████より美味そうだったのも功を奏したか。
しかし、ここで████の運は一度、尽きた。
思えば幸運が続きすぎたとも言う。揺り返し、あるいは禍福の縄のように、やって来る不運は莫大なものだった。
ピンク色の唾を、つけられた。
迷宮で手に入る装備の中でも、最も強力でろくでもない呪いの装備。
外に出ることも出来ず、探索者の死体を食い漁る████に垂らされたソレは、【迷宮神の唾液】
汝、迷宮から離れることを許さじ。
汝、迷宮外で安住することを許さじ。
汝、闘争と混沌の虜として害を振るうべし。
ただお気に入りを侍らせたいがために垂らされる理理不尽の滴は、████の脳と魂に直接響き、汚染した。
魔物堕ちを増長させる、経験値と回復能力の向上の粘液。
████────登録名:惨禍はそうして触手人として一歩、逸脱した。
何年も前の話だ。
理不尽な救いは、今もまだ齎され続けている。
この世界で罪を犯す場合、その身体能力や種族背景を省みてざっくりとした量刑が与えられる。
細やかな法が追いついていないため、大体の法は旧人類の只人が残したものをそのまま運用している。
が、当然、亜人達に当てはめれないケースも多いので与えられる罪はその種族にとって厳しい内容であるよう、幾ばくかの調整がされる。
触手人はその頃には亜人種として認定が降りていた。
████は詳しくは知らないが、何処ぞの出来損ないな同胞の群れが繁殖する為に只人共を誑かしたのだと聞いている。
お陰で████は犯罪者として逮捕されることが出来た。
亜人として認定が降りていなければ魔物として即討伐が組まれていたので、命を繋ぐことが出来たのだと言える。
それでもまあ、やってる事がやってる事なので速やかに死を望まれた。
犯罪奴隷隊に配属された████はよく分からない、暗い森の迷宮に数人の犯罪者共と投げ込まれてさ迷うこととなる。
犯罪奴隷隊の協調性は最悪。当たり前だが癖も強ければ足並みも揃わず、入って早々に瓦解するチームワーク。
分不相応な探索者が危険に踏み込めば当然死に目をつけられるように、酸性粘生物は彼らを容易く平らげた。
そこで、████達に付けられていた彼らを追跡する魔道具がぶっ壊れた。彼らはそこで死んだことになったし、事実████以外は全部死んだ。
████が生き延びた理由なんか、その他全てを犠牲になりふり構わず逃げたからに他ならない。他犯罪者の体格がそこそこ良く、████より美味そうだったのも功を奏したか。
しかし、ここで████の運は一度、尽きた。
思えば幸運が続きすぎたとも言う。揺り返し、あるいは禍福の縄のように、やって来る不運は莫大なものだった。
ピンク色の唾を、つけられた。
迷宮で手に入る装備の中でも、最も強力でろくでもない呪いの装備。
外に出ることも出来ず、探索者の死体を食い漁る████に垂らされたソレは、【迷宮神の唾液】
汝、迷宮から離れることを許さじ。
汝、迷宮外で安住することを許さじ。
汝、闘争と混沌の虜として害を振るうべし。
ただお気に入りを侍らせたいがために垂らされる理理不尽の滴は、████の脳と魂に直接響き、汚染した。
魔物堕ちを増長させる、経験値と回復能力の向上の粘液。
████────登録名:惨禍はそうして触手人として一歩、逸脱した。
何年も前の話だ。
理不尽な救いは、今もまだ齎され続けている。