RECORD

Eno.9 ウサの記録

剣理の道


いくらかの闘技者と話を交わした。

闘技モノマキアはスポーツで、対戦相手は闘技仲間。
ゆえに、馴れ合うことは無いにしろ、敵対する理由も特に無く。
共に酒を飲み、共にメシを食らうことも少なくはない。

……人もいれば、亜人もいて、人外もいる。
ある闘技者は死神だし、ある闘技者はロボットで。
どれも私からはかけ離れた形姿をしながらも、私と同じように過ごしていた。

此処の話を聞きながら、或いは、同期の話を聞いていれば。
自ずと今の状況も見えてくる。


この世を超えれば数多の世界があり、数多の種族があるらしい。
海を超えれば海外があるように。世界を超えれば外世界があるそうで。

この『フラウィウス』は、そんな多くの世界の間にある結節ハブで。
中心地ゆえの血濡れた歴史を経て、そうして今があるのだそうだ。

かつて争いに用いられた力は、やがて形式化された闘技スポーツへと転じゆく。
撃剣術が時代を経て剣道になるのと似たように、闘技モノマキアは生まれたそうだ。

聞けば世界を渡るチケットがあり、望めば闘技者として世界に住むことも叶うのだとか。
それほどの国策を必要とする、それだけのものが過去にあったのだろう。
戦を終えた彼らが、やがて力を持て余さぬように。


それだけの疑問が晴らして、改めて己に問う。

私がこの地に誘われた理由わけとは。
そして、私が力を求める理由、私の剣の往く先とは――

「……この先、どうしようかねエ」


――"技法は決して自然に逆らわず。
天に象どり地に法り、以て剣理を究めたり"


この"世"の理を識り究めれば、やがては私の"道"も視えるだろうか。