RECORD
Eno.227 アルティナ&アルティカの記録
2 風神の愛し子
俺は天才なんだって。俺は神様に愛されてるんだって。
だから俺は強い力を持っているんだって。
強い強い風の魔法は、魔導王国の王子に相応しいものだ。

それでも別に構わなかった。
俺が正義、俺さえ良ければそれで良かった。
良かった、はずなのに、なぁ──

俺は俺のかわいい弟が、俺に向ける感情を知らない。
俺の心が欠けているから、分からない?
負の感情なんて要らないものだと思ってた。
けれどそのせいでシャルを理解出来ないなら、

それを、知ってみたいと思った。
闘いを重ねていけば、得られるものはあるのかな。
俺は恵まれている。シャルとは違って、ずっと。
そんな俺が全て捨てて自由に生きているのを、
シャルは妬ましいと、憎らしいと言うんだ。
妬ましいって何? 憎らしいって何?
俺はどうして、大好きな君に嫌われているのかな。
知りたいのに、理解が出来なかった。
風の神様が奪ってった、俺の心のかけらたち。
だから俺は強い力を持っているんだって。
強い強い風の魔法は、魔導王国の王子に相応しいものだ。

「──だけど代わりに、人の心が分からないんだって」
それでも別に構わなかった。
俺が正義、俺さえ良ければそれで良かった。
良かった、はずなのに、なぁ──

「……シャル」
俺は俺のかわいい弟が、俺に向ける感情を知らない。
俺の心が欠けているから、分からない?
負の感情なんて要らないものだと思ってた。
けれどそのせいでシャルを理解出来ないなら、

「…………」
それを、知ってみたいと思った。
闘いを重ねていけば、得られるものはあるのかな。
俺は恵まれている。シャルとは違って、ずっと。
そんな俺が全て捨てて自由に生きているのを、
シャルは妬ましいと、憎らしいと言うんだ。
妬ましいって何? 憎らしいって何?
俺はどうして、大好きな君に嫌われているのかな。
知りたいのに、理解が出来なかった。
風の神様が奪ってった、俺の心のかけらたち。