RECORD
Eno.401 グラスの記録
思い返す
あたしのいた孤児院は、実はちょっとおかしい。
なにせ、そこにいる子どもたち全員が『売り物』なのだから。
とある宗教団体に属する孤児院。
そこに入った子どもがまず教えられること。
それは、命の価値とは、すなわち金そのもので決まるということだ。
どれだけ金品を持っているかが、そのまま命の価値になる。
この世では金持ちの方が偉いってわけ。金の重さは命の重さ。
何も持たない孤児にできるのは、自分自身に値段を付けて、
命の価値がでかいヤツに買ってもらうことだけだ。
そうしてやっと、神に愛される資格を持つ。
…とまあ、そんな感じのことを子どもたちは刷り込まれるわけだ。
ほぼ洗脳に近いと言ってもいい。日常生活からぜんぶ
命の価値がでかい方が何かと得をする感じになっている。
闘技場で言うと、FMみたいなもんだな。
そういうのがひとりずつに設定されてるってわけ。
いいことをすれば命の価値は上がるし。
悪いことをすれば下がる。単純な教育だ。
そうしてみんな、いつの日か旅立つことを心待ちにする。
価値のでかいヤツに、自分にもちゃんと価値があると認めてもらえる日を。
その先、どんな扱いを受けるかは買い手次第だっていうのに。
たくさんの姉や兄を、見送ってきた。
たくさんの妹や弟を、送り出してきた。
寂しくない時なんて、なかったように思う。
それでも、みんな幸せそうに旅立つから。
幸せでありますようにと願って、笑って送った。
そう、いつだって見送る側。
……あ、売れ残ってるとかじゃないよ?
そもそもの話。あたしは『売り物』じゃなくて。
その孤児院の先生に買われた、奴隷だ。
子うさぎちゃんだった頃、とある奴隷市場で売られていた安い命。
そこで先生と出会って、価値を見出されて。
お手伝いとして、孤児院に居させてもらっているだけ。
与えられた役割は"みんなのお姉ちゃん"。
……妹だった時期もあったか。少しの間だけだけど。
基本的には、自分より下の子のお世話をする係だったわけだ。
それでもその家族ごっこは。
あたしにとっては、本物で。
だからこそ。
そこにずっといるのは
耐えられなかったのかもしれない。
なにせ、そこにいる子どもたち全員が『売り物』なのだから。
とある宗教団体に属する孤児院。
そこに入った子どもがまず教えられること。
それは、命の価値とは、すなわち金そのもので決まるということだ。
どれだけ金品を持っているかが、そのまま命の価値になる。
この世では金持ちの方が偉いってわけ。金の重さは命の重さ。
何も持たない孤児にできるのは、自分自身に値段を付けて、
命の価値がでかいヤツに買ってもらうことだけだ。
そうしてやっと、神に愛される資格を持つ。
…とまあ、そんな感じのことを子どもたちは刷り込まれるわけだ。
ほぼ洗脳に近いと言ってもいい。日常生活からぜんぶ
命の価値がでかい方が何かと得をする感じになっている。
闘技場で言うと、FMみたいなもんだな。
そういうのがひとりずつに設定されてるってわけ。
いいことをすれば命の価値は上がるし。
悪いことをすれば下がる。単純な教育だ。
そうしてみんな、いつの日か旅立つことを心待ちにする。
価値のでかいヤツに、自分にもちゃんと価値があると認めてもらえる日を。
その先、どんな扱いを受けるかは買い手次第だっていうのに。
たくさんの姉や兄を、見送ってきた。
たくさんの妹や弟を、送り出してきた。
寂しくない時なんて、なかったように思う。
それでも、みんな幸せそうに旅立つから。
幸せでありますようにと願って、笑って送った。
そう、いつだって見送る側。
……あ、売れ残ってるとかじゃないよ?
そもそもの話。あたしは『売り物』じゃなくて。
その孤児院の先生に買われた、奴隷だ。
子うさぎちゃんだった頃、とある奴隷市場で売られていた安い命。
そこで先生と出会って、価値を見出されて。
お手伝いとして、孤児院に居させてもらっているだけ。
与えられた役割は"みんなのお姉ちゃん"。
……妹だった時期もあったか。少しの間だけだけど。
基本的には、自分より下の子のお世話をする係だったわけだ。
それでもその家族ごっこは。
あたしにとっては、本物で。
だからこそ。
そこにずっといるのは
耐えられなかったのかもしれない。