RECORD

Eno.3 マイリーの記録

御嬢の友達作り


ここに来たばかりの頃の御嬢をふと思い返す。
目を輝かせながら、たくさん遊んで友達を作るんだと言っていた。

……そう意気込んではいたものの、友達作りの初日も、その次の日も惨敗。
ここで初めて友達が出来そうだった時はかなり緊張していた事もあり、
上手く要件が伝えられずに友達候補は去って行った。

何かを覚える事が難しい子なんだ。
見えないだけで、聞こえないだけで、御嬢の世界にはたくさんの人々が溢れかえっているから。
意地の悪い連中も多い。話が上手く聞こえないように邪魔をする奴らなんていくらでもいる。
しっかり聞き取る為に自分からタイミングを作り

「おなまえは?」

なんて聞けば、見えて聞こえる者へ群がる様に好き勝手に話し始める。
話せる奴は貴重だからな。悪意からでなくても縋るようにアピールしてくるんだ。
それを全て受けながら、大切な友達の名前だけは聞き取り記憶しようとしている。

御嬢のお願いが効果を発揮するのは、そうしてもいいと思ったモノだけだ。
そのお願いを否定しなかったモノだけだ。それが適応されないモノ達とは相性が悪い。

パッと名前を聞いても別の名前を前後左右から聞かされ続ければ、
覚えている途中の名はすぐにかき消される。


御嬢にとって友達は、そうされても絶対に覚えると強く想い、名前を呼べるようになった人達の事だ。


………………



御嬢、友達増えたよな



ん? そうだね?



マイリー、もっとともだちできると思う! ともだちつくるのじょうずになってきたから!