RECORD

Eno.15  の記録

とある男の独り言


「救いを求める者を救うことはいつだって簡単だ」



状況を見定め、必要な助けを伸ばせばいいのだから。
しかし、子供の救いというのは難しい。

世間や常識を知らないまま、己の中で一定の規則を作り上げ、物事を躊躇なく簡単に捻じ曲げてしまえる。


「私も初めは彼女に必要なのは、個別性を認め手を差し出す事であると思っていたよ
……必要であれば、養子とするのも一つの手だろうっと」




それに対しての子供の認識は違った。

子供は家族としてなら”数年間は見てもらえる”
愛としてなら”他の特別が現れるまで見てもらえる”

そういった期限付きのものだった。


日時が過ぎる程に存在を遺そうと怯える姿を見た。
それならば、と聖女という役職を与えてみると彼女は聖女として明るく振る舞う事を始めた。

役職はその時の彼女にとって感情や血の繋がりよりも信じられるものだったのだろう



「………その選択を正しかった、と傲慢な事は思っていないよ
別の光があったかもしれない、と道を考える日々ばかりだ

教えや信条はあっても、人の歩み方や人生の正しさ等誰かが明確な答えを投げれるものではない」



「しかし、時にはただ救いたいというエゴで手を引く必要もある」

「………何時だって悩んでいるよ彼女の保護者としては」


指導者としてなら、一人の少女と数多の付き人…どちらを取るのが正しいのか、その決断を下せてしまう事も男は知っている

自分は全ての正義だ、と胸を張れるものなんかない