RECORD

Eno.19 七一二の記録

乖孩子

【乖孩子とは】
「良い子」「従順な子供」のこと。
子供が行儀よく、親や教師の指示に従順であることを称賛する際に使われる。



此れは弱者であった。
強者とは真逆、その他大勢ですらなく。

家畜、迷える羊、ヒエラルキーの最下層。

「僕は、いい子なんかじゃないよ」



命令されるがまま、龍を屠り、神を殺した。
殺せば褒められる。できなければ、屠殺される。
それが至上の喜びだと思い込んだ。

「……殺しも、暴力も。使命だったから、できただけ」



至上の喜びに、綻びが生じた。
埋めるものはなんでも良かった。
だから、縋った。幸い、痛みには慣れていた痛みはいつも傍にいてくれた

「……いい子じゃない、からね……」



縋った先に、掬い上げられた。
生ぬるい、暖かい場所。
心地が良くて、満たされた物足りない

「……いい子、なんかじゃ」



痛みは傍にいなかった。
だから、求めて、手繰り寄せた。
壊れたものを、また壊して。

此れは強かで、卑怯で、強欲で、粘着質で、打算的で、刹那的で。


いい子なんかじゃないのに。




此れはいい子の皮を被った、法の番人邪悪である。























「────いいの?僕なんかと、一緒で」