RECORD
Eno.191 ルシアン・ブラックの記録
よくある話。
別によくある話だった。
ぱっと怪我や病を治せる魔法があるわけでもない。
そういう医療知識なんてものも世界中で共有されてるわけじゃない。
都会は優れて田舎は劣る。訳も分からない民間療法で得られる
プラシーボ効果で体を騙して健康になる。
治らなかったらまぁ、運がなかった。その程度の話。
別によくある話だった。
村ひとつが病で滅びるなんてことは。
流行り病、感染力が強いのなんかは一瞬だ。
医者が住んでる村ならまだしも、殆どの村には精々薬師がいる程度。
その薬師だって、知らない病の薬は作れない。
病で死んじまったらまぁ、運がなかった。その程度の話。
別によくある話だった。
そうして病で滅びた村や土地は忌避されて。
そこに住んでいた人々や、その付近の人々まで穢れたかのように扱われることは。
田舎なんてのは、病は神の怒り、不義の穢れ、天罰、なんて好き勝手言いやがる。
滅びるようなことをしていたに違いない。あの土地一帯に住んでるものは
悪魔の申し子たちだ。何の根拠もない偏見と差別。
死んだ村には汚名が着せられ、付近の村はとばっちりを受け。
そうして付近の村は死んだ村を恨む。あいつらのせいで。
どれだけ仲良く交流してても。
別によくある話だった。
冬になれば雪が降り積もって、外界との交通網が塞がるなんてのは。
その為に冬籠りの準備をして、村全員で支え合って生き抜くのだ。
冬の間は、己たちだけが頼みの綱だった。
別によくある話だった。
雪が解けた頃、村に戻ったら。
全員病に倒れて、苦しみ死を待つばかりの状況だっていう事は。
冬の頃に医者を呼びに行くことなんてできるわけもなく。
雪が解ける頃にはもう間に合わず。
苦しい、痛い、気持ち悪い。
どう見ても助かる余地もない村人たちを見下ろすくらい、よくある話だった。



ぱっと怪我や病を治せる魔法があるわけでもない。
そういう医療知識なんてものも世界中で共有されてるわけじゃない。
都会は優れて田舎は劣る。訳も分からない民間療法で得られる
プラシーボ効果で体を騙して健康になる。
治らなかったらまぁ、運がなかった。その程度の話。
別によくある話だった。
村ひとつが病で滅びるなんてことは。
流行り病、感染力が強いのなんかは一瞬だ。
医者が住んでる村ならまだしも、殆どの村には精々薬師がいる程度。
その薬師だって、知らない病の薬は作れない。
病で死んじまったらまぁ、運がなかった。その程度の話。
別によくある話だった。
そうして病で滅びた村や土地は忌避されて。
そこに住んでいた人々や、その付近の人々まで穢れたかのように扱われることは。
田舎なんてのは、病は神の怒り、不義の穢れ、天罰、なんて好き勝手言いやがる。
滅びるようなことをしていたに違いない。あの土地一帯に住んでるものは
悪魔の申し子たちだ。何の根拠もない偏見と差別。
死んだ村には汚名が着せられ、付近の村はとばっちりを受け。
そうして付近の村は死んだ村を恨む。あいつらのせいで。
どれだけ仲良く交流してても。
別によくある話だった。
冬になれば雪が降り積もって、外界との交通網が塞がるなんてのは。
その為に冬籠りの準備をして、村全員で支え合って生き抜くのだ。
冬の間は、己たちだけが頼みの綱だった。
別によくある話だった。
雪が解けた頃、村に戻ったら。
全員病に倒れて、苦しみ死を待つばかりの状況だっていう事は。
冬の頃に医者を呼びに行くことなんてできるわけもなく。
雪が解ける頃にはもう間に合わず。
苦しい、痛い、気持ち悪い。
どう見ても助かる余地もない村人たちを見下ろすくらい、よくある話だった。

「…何の知識もない、ただのガキが」

「あいつらを救ってやる方法なんて、一つしかないだろ。」

「早く俺も、あいつらのとこに行きてぇな。」