RECORD

Eno.134 タニムラ ミカゼの記録

 届いて、ビー玉や折り紙と並んだソレに触れる。

 見慣れた透明なガラスとはまた違う。
 いくつもの傷を作って鈍い輝き。鋭利さはなく丸くて、元々が色付きだったのか分からないけど緑色。
 かつては何だったのだろう。いつ海に流される事になっただろう。なんて、つい想像してしまう。

 100年以上前にあった大きな津波みたいに、海に引きずり込まれたものが、時を経てこうしてやってきたりして、とか。


 自分は今、暗いものに引きずり込まれそうになっているのだろうか。そうかもしれない。仲間クローンの死すら、傷付きそうになっているんだ。いつも通りではない。
 それを心配して、そうならないで引きずり込まれないでとの願い事?

 傷付いた果て。曇硝子のようなシーグラス。
 傷口から体液を溢して枯れ果てるよりは、綺麗かな。

 丸くなるのに、どれだけ時間がかかるだろう。
 思い返して傷付けて、傷付けて。それでも、綺麗な物が形であるのは、少し安堵する。