RECORD

Eno.116 アリィーの記録

鈴の音


「3回唱えれば、アナタの願いは必ず叶うでしょう」



*彼は僕等にそう言って* *何だって叶えてくれた*
*金が欲しい* *飯が欲しい* *家が欲しい* *強さが欲しい*
*は全部を与えてくれた*

*けれど*


「代わりにアナタの大切なものをください」


「アナタにとって大切な、願いに見合うものをください」



*満たない癖に大き過ぎるから* *彼はその空白を埋めようとして*
*有無も言えない僕等から色んなものをとっていった*
*でも* *先に願ったのは僕等の方なんだから*
*それはとても* *仕方の無い事であったろう*


『🔔』



*簡単に投げ出せるものに* *価値は無かった*
*だから僕は* *僕を大切にしなければならなかった*

*犬が僕をペットにしても* *僕は王様でなくてはいけなかった*


「大切なものをください」



*それは沢山あるよ*
*僕は今迄の全てを* *手放したくなんてないんだから*

*だからこそ美しい価値があるだろう*

*どんなに拙い些細だって*


「(拍手)」