RECORD

Eno.465 ラガーの記録

記録:個室にて

内側がぐちゃぐちゃになっている。

瞼を下ろすと剣戟が響いて、叫び声が聞こえて、異常に鳴る心臓の音すら甦ってしまう。
それから、底無しの奈落に吸い込まれそうな感覚が訪れる。

それはひたすらに怖かったものだけど、今はそう思わない。
凪いだ水面にも似たような、でも飛び込んだら抱きしめてくれそうなどこまでも広い黒。

色んな感覚が内側の中でせめぎあって、意識が全く薄れない。


おかしいなぁ、戦う前なら分かるけど。戦った後もこんなに引っ張られるなんて。


寝酒も酒場でしてみたけど効果がなかった。エネルギー結晶が人体にいいっていうのは本当だと思うけど。ちょっと落ち着いたし。
一度毒で死ぬほど苦しんでから体質が変わったのか、アルコールが効かなくなっちゃったんだよな。それだけならまだしも、毒の他にも薬もあまり効いてくれない。

ただただひたすら、喉を焼き続けた。


「流石にこれはまずいよなぁ……」




困ったなぁ、本当に困った。
帰る前にはどうにかしないと。