RECORD

Eno.89 エリエル・スーフェニルの記録

ひとごころしらぬりゅうのはなし

「古代竜の心臓って特段美味しいのかな。いただきまーす」

とち狂った人間に敗北した私は、要たる心臓を奪われた───

……

私はスーフェニル。数多幾年を生きた竜族の誇り。
だった。

あの人間。力のみが正義だったあの世界で、絶対強者として降り立った者。
私は敗北した。数刻と保たなかったと思う。

しかし私は誇り高き竜。断じて人間如きに降らない。
止めを刺せと叫んだ。それが私の最期の言葉となるはずだった。

耳に火山灰が詰まってたのか知らんが一切無視して私の体を開き始めた。
貴様本当に意地汚いにも程があるぞ??

そうして、あとははじめに書いた通り。
私は頭のネジが外れた「英雄」と共に生きざるを得なくなった。

……

人というのは理解し難い。
あの女と共に生きた年月の方が圧倒的に上回った今も、理解できないままでいる。

人というのは狂っている。
私ですら嫌厭するであろう物を簡単に口に含み、平気で同族を殺してはその肉を喰らう。

人というのは最も悪に近いのではないか。
数万年の中、ようやく至った結論であった。

普通「すぐ戻るから」って建物の壁掘って回ったりパーティ会場のゲストを殺して回るか??
あとあの女はしていなかったが無許可で他人に酒を飲ませてやることやって金巻き上げたり片端から街に核爆弾仕掛けたり……


ということがあり、私は人間という種族を最も恐れるようになった。
異論? まずはあの女を説得してから言うんだな!



ひとごころしらぬりゅうのはなし。
気が狂った人間と出会ってしまったが故に、しることができなかったはなし。