RECORD

Eno.234 ノア・イトゥドノットの記録

虚しい現実と確かな現実

心の何処かで分かっていた

流れ着いたフラフィウスで何れだけ実績を積もうと
何れだけ処刑人という名で名声を得ようと
それは『剣闘士』グラディエーターとしての私であって
嘗ての様な処刑人としての私などもうなれない必要とされていない事も

最終目標を果たしても実感や喜びが湧かない訳だ
私がなりたかった処刑人は何れだけ考えても
『思い出せないのだから』誰かを守り平穏を与える様な存在だったのだから

なあ、神でも誰でも良いんだ
見ているなら教えてくれ

『私は、誰だ?』


何のために生きている?

その問い掛けは誰も答えられる事はなく何時も通り闇に融けて、空虚として終わる
そんなものだ、現実は





…けれど、此処での功績も皆との繋がりも紛れもなく現実で
そうして今、此処に居る私は依然として私のままだというのもまた確かな現実で
だから、また探そう
探して、考えて、戦って、見つけるしかない
私は結局、そういった術しか知らんのだ