RECORD

Eno.9 ウサの記録

殺す剣、活かす剣


強くなりたい。
私が負けたあいつに勝ちたい。
だから、強くなりたい。

私より強い奴に勝つために、ずっと強さを求めてきた。
その強さを強者に勝つこと以外に振るう気は無かった。

少なくとも、道場の師範に勝つまでは。


私にケチを付けた輩を分からせるために、その力を振るった。
私がその日を生きるために、その力を振るった。
私の強さを買った人間に従い、その力を振るった。

血を見る度に、私の刀の輝きは濁っていくような気がした。


――何が為に力を得る?
――何を究め、何処へと至る?

時折、かつての師の声がよぎる。

「……」


殺す剣か、それとも活かす剣か、それとも。
うちの振るいたい剣とは、如何に。