RECORD

Eno.32 スプレンドーレ・テンポラーレの記録

英雄譚

ピッコラがその物語に出会ったのは10歳の誕生日。

長男のヴェリタは少女にとある英雄譚をプレゼントしました。
巨人族の国では流通していない、人間が好んで読む本。
魔王を倒す人間の勇者と仲間たちの物語。
大昔に実際にあったとされる実話。

人間の勇者に魔法使い、巨人族の戦士、エルフ族の射手。
表紙を見たとき、少女に衝撃が走りました。
脆い人間がリーダーで、それに巨人族が従っているなんて。
読み進めていけばいくほど、魔法と武技を駆使する勇者の活躍が紡がれていって……少女は勇者の虜となりました。

……いえ、正確には強大なモノに立ち向かう小さく脆き者の虜に。