RECORD

Eno.374 ぺルシルの記録

桔梗の花よ 3

ささやかな願いと、確かな誓いを込めて。


 貴女は気が付かなかったみたいだけれど、今はそれでいい。
 いつか、ふとした時にその蓋を開けて。
 中身に思いを馳せてくれるなら、それでいい。

 だとしても、こんな往来でプロポーズをさせるとか。
 少し……いや、とても恥ずかしい。
 他人の視線が己に向いているような気がして。
 そんな中での告白は、緊張で目が眩んでしまいそう。

 ……最後までダサいなぁ、俺。

「……はは」


 ゆっくりと深呼吸をする。
 覚悟を決める。
 花束を両手に抱えて、貴女の透き通るような青い瞳を見た。
 そうしたら、自然と笑みが零れて。
 緊張もほぐれた。言いたいことも決まった。
 正直な話、貴女に伝えたい言葉は沢山あるけど。
 全部伝えたら、きっと帰れなくなってしまうから。今はこれだけ。



──愛してる。



 ……とか、本当は言いたかったけど。最後の最後で締まらないんだよなぁ……
 ……大好きってなんだよ……はぁ……