RECORD

Eno.214 ミセリエ・モルトハンフルの記録

文通 其のニ

返事が遅れてしまい、誠申し訳無。
戦の期の終はりが迫り、文を書く間も無く慌ただしくしておりました。
体調は変わられませぬでしょうか?風の温さも日々変わられるこの頃、身を崩す者も多ひと聞きます。

前の手紙では、飯の種類が増えて戦にも気合いが入ると書いてあったのをよく覚えております。
誠に美味そうに飯を喰らうみせりえ殿の姿を思い浮かべ、顔も綻びました。
最近の飯のお気に入りは、はんばあがぁやえっぐさんど等です。
手掴みで持ち運びも楽で、かつおにぎりとも違う味わいに、虜になってしまいました。

そふ言ゑば、この間はてらすから海に飛び込み、友と共に魚をようけ捕らえて宴を開きました。
みせりえ殿も誘いたかった所です。
今度また、新鮮な魚を捕らえ持って行こうかと思ひます。


月の末には今期の闘技が一区切りになる模様。
某はそれまでに、五千の勝利を上げる事を目標としておりました。
某の故郷の倣わいとして、元服。大人と認められる為の儀式のようなものとしてのものです。
今、某は四千九百九十の勝ちを重ね、最後の試練として、私闘での立ち合ひに励んでおります。
皆強者ばかり、そして乱戦とも違う、張り詰めた気に気圧される日々です。
武道場の西観戦席Wにて、月の末まで続ける手筈。生き死にを決めるまで行う血生臭き戦ではありますが、もしも、見に(ここで何度か文に悩んだようで、最終的にバッテンで消されている)

月が変わりましたら、みせりえ殿はこの地を去るのでしょうか。
もしも時間に空きが有るのであれば、どこかで一度、この街を共に歩いてみたいと、心の隅にて思ひております。