RECORD

Eno.227 アルティナ&アルティカの記録

蜂蜜酒で献杯を

 
アルアさんが、返り血つけて帰ってきた。
 周りの人の発言「殺した」「献杯」
 誰が死んだんだろね、俺の知り合いだったりするのかな。

 シャルの知り合いだったら嫌だな。
 優しいあの子は悲しむでしょう、
 その歩みを止めることにはさせたくない。

 誰かが死んだって、別に俺の心なんて痛みはしない。
 母さんが死んでも、兄上が死んでも、
 妹双子が死んでも、友人のファブルが死んでも。

 心が欠けている、だから俺はわかんない。
 けれど弟は繊細だもん、守ってあげなくちゃ。
 俺に何が出来るかなぁ、俺はどうすれば良いかなぁ。

 どうせ死んだ人の情報は出るのだろう、
 あの子はそれを知るのだろう。
 だから、俺は──

  ◇

 死んだのは恐らくサーニャさんと判明した。
 俺、もうあの賑やかな声を聞けないんだなぁ。
 寂しい、というのはこんな感情?
 寂しいなんてどうせ、すぐに忘れてしまうのだろうけれど。

 君の好きだった蜂蜜酒で、
 けれどこの時だけは、君を偲ぼうか。

「──献杯」