RECORD

Eno.61 ジュヘナザートの記録

話すまでも無い事。

生きているだけで罪を被る。


"人は産まれながらにして穢れを持ち、生そのものが抱える罪である。"

……だなんて極論は教義にもなければそんな思想を持っていないし言う気も無いが、事実としてそれは起きる。
個人的にはこの世に産まれること事態が不運だと思わぬでも無いし。

"産まれ"と言うのは永劫解けぬ祝福にして呪いだ。子が親を撰べないのとまったく同じ理屈で縛られることになる。
例えば貴族の産まれなら、例えば孤児の産まれなら、例えば、例えば、例えば。天涯孤独に迫害の血筋、ごった返して様々。
産まれは環境を決め、環境が思想を決め、思想が人生を決める。生きて歳を重ねる事が出来れば転機と呼ばれる時期も幾らかは出てくるのだろうが、過去は変えられない。
過去にして原点である出生は何らかの形でそれこそ影のように付きまとうものだ。

例えば、言葉遣いに食事の摂り方、人との接し方に、な根付いた"癖"の何もかもを払拭するのは難しい




「……生きているだけで罪を被る」



例えば、身内が大罪人だとか。
そんな祝福呪いが、付き纏っている。

環境に、思想に、人生に。
日常に、常識に、当然と。