RECORD
Eno.570 クフィアトの記録

メーヌリスはクフィアトを突き飛ばした。髪飾りが飛び、纏められていた髪がメーヌリスの肩に落ちる。

メーヌリスの言葉をクフィアトは黙って聞いていた。


クフィアトはゆっくりメーヌリスに近づくと、仮面を撫でる。
魔法で留められていた仮面の留め具が神樹の加護によってパチリと外れた。


メーヌリスは、今度こそクフィアトを抱き締めた。
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闘技場の裏にて(後)

「…ッ!!」
メーヌリスはクフィアトを突き飛ばした。髪飾りが飛び、纏められていた髪がメーヌリスの肩に落ちる。

「…ごめんなさい、私…私は、貴方に抱かれる資格はありません。顔も醜く、体も穢れ、志も無くしました。手紙の中の月は沈んだのです。」
メーヌリスの言葉をクフィアトは黙って聞いていた。

「貴方が無事であったことは本当に嬉しいのです。ですが…どうか私のことは忘れて欲しい。貴方が幸せであれば、他には何も要らない。」

「…私は、過去の貴方を求めてきたのではありません。今のままの貴方を迎えに来たのです。手紙で言いましたよね?私は貴女の幸せになりたい。私の幸せには貴女が必要なんです。その仮面の下の哀しみも解りたい。」
クフィアトはゆっくりメーヌリスに近づくと、仮面を撫でる。
魔法で留められていた仮面の留め具が神樹の加護によってパチリと外れた。

「…愛しています、メーヌリス。この地で私と一緒に生きてください。」

「…………。」
メーヌリスは、今度こそクフィアトを抱き締めた。
「ありがとう……クフィアト。どうか、末永く傍に居させてください。」

ー闘技場の片隅で、一つの物語が結ばれたー