RECORD

Eno.28 柿原玄輝の記録

 サングラス越しに、目の前で起きた事故・・を眺める。
 C11加盟組織である今回の依頼元は、咎人集団として確保、又は処理された。
 相手はどうやら、音声記録媒体に仕込まれた初歩的な催眠術にも引っかかるような、阿呆の群れだったらしい。
 全くもって、やりがいの無い相手というか……

 そちらはさておき、桔梗院からもフラウィウスの調査依頼を受けていたのは事実。
 こちらには本当のこと――いずれ京都に戻ってくる鬼がいること。それを観光案内する約束をしていること――を伝えている。
 あの鬼も暴れた後のしっぺ返しをよく知っている筈だから、まあ大丈夫だとは思うんだが。
 一応、封印されていたらしい神社も調べる必要があるのだが、そこは職員に任せた。

 俺の任務はこれで終了。
 帰ったらウォッカの奴に、ぺルシルとマイリーの分の戸籍を用意してもらわなくちゃいけない。
 後は俺の装備を返してもらって、更新が滞っていた記事をどうにかして。
 今日明日はそんな感じで終わるかな。

 ふと空を見上げれば、丁度日が沈む頃合いだった。
 金木犀の香りが漂って、秋の訪れを知らせてくれる。
 そこでようやく、既に夏が過ぎ去っていたことに気がつく。もうそんな時期なのか、と。
 
 ……いや、今はまだ一回目の夏が終わったばかりだ。
 大切な人と再会できるのは、一体いつになることやら。