RECORD

Eno.44 ブルーバードの記録

◆10月1日、雪の日記

雪だよ。
多重人格っぽくなるのは嫌だし、姫様と思考回路は一緒だからさー。
たまに出てくればいっかなーって、今まで黙ってたんだけどさ。

恋愛感情ねー、そりゃ姫様にはわかんなくて当然なんだわ。
家からも出れないし敵ばっかの中で、ちょっといい友達になれそうって男に
……結局裏切られてんだからさ。
最期に見た王子様が追いかけてきてくれる光景、あれただの走馬灯っつか、都合のいい幻覚でしょ。
そんでさ、味方はあれ……多分全滅。
救い~???そこの棚になんも無いんだわ。
……って、アタシからの角度なら少しは冷静に受け止められるけどさ。
あれで何人の命が散ったかって、その後悔の先にあるのがブルーバードアタシ達だからさ。


服装や背景……っつっても、マジで家から出れなかったから正直無いに等しいけど
そういう情報から逆算して、その時代に崖から落ちて死んだ姫君・・・・・・・・・・・がいないかって、調べたんだよね。
なんの情報も出てこなかった。
敗者はさ~~~~~~~~~~~~~~~歴史にも残んねーんだわ。
結構大きい戦乱だったのにさ、それがあったことすらも残らない。
もう1000年は経ってんだよ、みんなの無事を今更祈ったって時既に遅すぎだ。
そーゆーのをさ、いくら同一人物アタシとはいえ小さい女の子に叩きつけんのは、どうかと思うよ。

姫様なんてのはさ、基本自我なんていらなくて、政略結婚の道具になればそれでいいロール役柄だからさ。
……そういう、自暴自棄に近いとこがさ、リーと共鳴したんじゃん?ってアタシは思うよ。


こうやってさ、アタシらは同一人物でありながら思考回路が二本あるんだよ。
だから、なんか妙に冷静なだけなんじゃねーの?って。
(冷静さ無くすのも怖いんだよな、襲われて殺されてんだもん)


でもさー、アタシはリーのこと好きだよ。
あんな真っ直ぐ来てくれたらさ、嬉しいじゃん。リーも楽しそうにしてくれてるしさ。
いいじゃん、それで。
なあ、リー
……って、アタシが話しかける日もいつか来んのかな。