RECORD

Eno.44 ブルーバードの記録

◆10月3日、雪の日記

……あの王子はさ、あの王子なりにきっと、アタシ姫様のことが好きだったんだよ。
だけどさ、そのための努力が全然、なんもできない奴だった。
周囲の優秀なスタッフが思いっきり着飾らせて、手入れしてやって、面倒見てやって、アレだったんだよ。
アタシの目にいかに良く映るか、って、そうプロデュースされてたからあん時はちょっと良く見えてただけじゃん?
権力だけは姫様の次にあったからさ、まだ子供だった姫様を除外したら、自分がトップでしょ。
だから、どんな拙い作戦でも通っちゃった。
結果、ああなったわけ。

直接誰がどうしたのか、っつうのはあんま意味なくて。
姫様を殺したい奴は平時からいっぱいいた。
それが解りきってたからみんなで守ってた。
……刃が通る隙を与えた奴が悪い。


は~~~~~~~~~~、結果から逆算するとこれしかないんだよなー。
マジで20年くらいクッソ考えたよね、姫様とアタシの両方の視点からさ。
軍師とか、そういうのはプロがいたから、そのプロの人達があんなゴミみたいな作戦立てるわけないもん。


あの王子にしたら、めちゃくちゃに格上の姫様を諦めきれなくて、追って、自分のミスで殺しちゃった。
でも諦められない「から」姫様からそのミスが見えないように隠したわけだよ。
それが、姫様が『何も知らない』『情報が全部隠されてる』の真相じゃん?
姫様が何も知らないことでなんか得する奴、あいつしかいないんだよ。

なんか一言でも謝ればよかったのにね。
天界でたまにだけど顔合わせる機会もあったんだし。
無言スルー何???
控えめに言って死ねよ~~~って感じ。



…………いやー今もめっちゃ無理だわ。
この結論見えちゃった時二人して吐き気止まんなかったもんね。
自分が殺してしまったと思ってた人に、実は自分が殺されてたっつうね……
そんなオチある?????

……んでさ、そうやってアタシに負い目を負わせることでしか
あの王子はアタシを繋ぎ止めていられなかったんだよ。

ま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~じこんなん、成仏できんわ。










っつうトラウマをさ、リーはぶち抜いていったわけだよ。正面から。
凄いよね。
好きだよ、貴女が居てくれないと困るよ、って。
あいついつでもどこでも言う。
一緒にいたいから諦めない、治療費ためるって、オフシーズン入っても闘技しまくって。
もう紋見えてんのにさ、しんどいだろう体で……アタシに三連勝だ。

あんたすげーよ。

ただ生まれただけの王子じゃなくってさ、あんたはその手で未来を切り開くヒーローだ。