RECORD

Eno.637 ナルシテート・スラミガル・ビビの記録

尾を踏まれた話

えっ?アタシの尾を踏まれた話?
あれは5年と10か月と3日前の話───。
あれ?3年と12か月と307日前だったかしら?
いやいや、2132日前の話だったかしら。
ま、細かい話は、ね。ね。忘れてしまうものですから。
空の高い、うんざりするような青空の日の事でございます。
アタシは竜ですもんで、まあ、穴倉暮らしをしておりましてね。モグラではないんですけれども、がはは!え?どうでもいい?そうかしら。
ああ~~~でもね、あったかくもありさむくもなかったのは覚えておりますよ。心地のいい……人にとってはどうだったかしら、ま、心地いい時期に。
竜退治のアホが来たことがありましてね。ええ、アタシの尾っぽをその時に踏んづけたんでございます。
ええ、アタシの!この尻尾を!!
アタシは竜人としてね、それなりの地位を与えられているものですから。といってもそう、あんまりたいした話ではなないんですよ。位も爵位も大した価値がございません。せいぜい市長くらいの位置なんですけども。ええ、街。ああ。町。村。いくつか収めたことがありますが、ええ。
チョットばかり本当にイカレだったらしくって。
ふんずけてったんでございますよ~~~~~~~~~~~~。
靴跡がもうくっきり!!!白だから目立つのなんのって。汚れが。
あはあ。それでもう、切れ散らかしてしまいまして。もー暴れちゃいましてね。
だって落ちないんですよ汚れが!!!!洗剤をつけてもどうにもならないんです、虫だってたかってくるんですよ、汚いですから!!
あっはっは。それでもうね、暴れすぎて近隣から討伐隊が来るくらいでして。
まあうまい事収まりましたけれど、いや~~~~~~~~あの頃は若かったな。
ええ、若気の。ええ若気の至りの話です。え?何歳ダッテ?いやだなあ、年なんて聞かないでくださいよ、竜人の歳なんて当てになりませんよ。大体途中で数えてるの忘れてしまいますからね!!







「むかあしむかしのお話です。そう、昔でもないかもしれませんけど!」







人をとって食うような話でございましょ。