RECORD

Eno.109 ネージュ・コルウスの記録

帰路

それはボクが荷物をまとめて、帰路に就こうとしたときの事だった。

*ばさばさ*


宿の窓の外で白い何かが、忙しなく街の上空を飛んでいる。見覚えのある影だった。

「わー! 綺麗な街! こんな場所もあるんだなー。
 なんだかしょっぱい匂いもするね!」

「……ロゼ?」

「……あ、"翼のおかあさん"だ! ヤッホー!」


ボクが気づいて窓を開けると、ロゼは飛び込むように近づいてきた。

「えへへー。会いたかったよ!」

「ロゼはね、"おかあさん"が帰ってくるのが待ちきれないから、お迎えに来ちゃった!
 ロゼも、前からこの街に行きたかったしね!」

「"おかあさん"、一緒に帰ろ! イストも"緑のおかあさん"も、まってるよー!」


ボクはロゼを部屋の中に入れて、頭を撫でてやると、ロゼは嬉しそうにはしゃいだ。

さて、そろそろだね。酒場の戦友たちにも挨拶回りをしてこなくちゃ。
特にマルク君に対しては忘れないように、ね。