RECORD
Eno.229 松村 紫種の記録

自室のベッドに腰掛けて、突然掛かってきた電話に対応するある日の深夜
難解な言い回しと言葉遣いで話を続ける相手は目上の人間だろうか
いつもより丁寧な口調で喋る姿がそこにあって


渋々と言った顔で立ち上がると
壁に掛けられてあるカレンダーの、左端の枡に印を付けて
再びベッドに…次は寝転がって通話を続ける


そのまま天井を見つめて数秒、数分……
数十分とはいかないまでに立ち上がって、メイスを手に取り部屋を出る
…誰も居ない私室には静けさが残るばかりだった
Project.V 松本紫種の通話記録

「……難しい話しますね、博士さん…ウチには何が何だか
つまりこういうことですか?その不死身だかの研究を手伝ってもらいたい…ってことで合ってます?」
自室のベッドに腰掛けて、突然掛かってきた電話に対応するある日の深夜
難解な言い回しと言葉遣いで話を続ける相手は目上の人間だろうか
いつもより丁寧な口調で喋る姿がそこにあって

「いえ、やりたくないとは言ってません
ウチがそんな大層な手術の被験者にふさわしいか心配なだけで…
誰でも良い手術ってわけじゃないんですよね?」

「……それ聞いて安心しました
受けますよ、それが人の為会社の為になるなら。お金も貰ってますし
いつ頃…ってあと一週間も無いじゃないですか」
渋々と言った顔で立ち上がると
壁に掛けられてあるカレンダーの、左端の枡に印を付けて
再びベッドに…次は寝転がって通話を続ける

「その日になったら迎えを寄越すんですね?
友人が出来ているなら別れを済ませとけって…お節介だなぁ、もう
今生の別れになるわけじゃないでしょう
…はぁい、じゃあその手筈で…どうも」

「……今生の別れじゃなくたって、此処を離れるとなるともう辛い気がしてくるね」
そのまま天井を見つめて数秒、数分……
数十分とはいかないまでに立ち上がって、メイスを手に取り部屋を出る
…誰も居ない私室には静けさが残るばかりだった