RECORD

Eno.232 シャルティオ&キィランの記録

27 もしも魔法が使えたなら


 マジックワンドを握ってみた。
 僕のそれは、単なる気紛れ。
 色々と前に進めるようになってきた。
 今の僕なら、魔法、使えるかな。

 魔力の扱い方は知っていたんだ。
 腐っても、僕は魔導王国の王子なのだし。

 魔力を感じた、それに身を委ねた。
 そしたら──



「…………」



 なれたね、魔法使い。

 さて、これからどうしようか。
 魔法の使い方を覚えようか。

 醜く穢れたこの僕でも、
 この世界でなら魔法使いになれる。
 そんな奇跡に思わず笑った。
 ねぇ、奇跡って、あるんだね。

 やりたいことが分からなくて途方に暮れていた。
 だからひとまずは、これの制御を目標とするよ。
 毎回、キィルの魔法破壊で強引に解除して貰ってたら、
 それじゃあ身体が持たないし。

 これを制御出来るようになれば、
 僕の毒の魔法も、もっと上手く──

「──魔法使いに、なれたよ」



 姿は本当の僕とは違うけれど。
 大丈夫、一歩ずつ進んでいこう。

  ◇

 ディミオスおにーちゃんの本名が分かった。
 ノーウェア。これからはそう呼ぶよ。
 大切で大好きな、僕のおにーちゃん。
 あなたの隣は、あったかいんだ。