RECORD

Eno.385 李家 蓮華の記録

※この記録には一部残酷・戦争表現が含まれています。ご注意下さい。













熱い。熱い。熱い。

燃えている街が見える。 燃えている人が見える。
燃えている動物が見える。燃えている山が見える。

祖国ここは、地獄だ。

鳴り止まない空襲警報。
終わらない夏の夜。

体が熱い。自分も燃えたのか。
いや、まだ動ける。命尽きるまで、祖国のために。

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何も見えない。真っ暗だ。
熱い、ただそれだけが身を灼いている。

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たすけて、    、 。
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なんて都合のいい話。
たくさん、自分が奪って来たくせに。

そのは、消えることなく。

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熱い。

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「きみの、いちばんに、」

【 お前じゃ無理でしょ。】





「医者センセーにもらった薬に解熱剤があって良かったが…早く効かねえかな」

熱に魘される親友の氷枕を取り替える。

「…なあ、蓮華。
何があっても、俺がいるからな」

どうか、どうかと。
誰に言うでもなく、願うように呟いた。