RECORD
Eno.5 劉 光龍の記録
◇帳の先で
りーくんはあまり、回りくどい表現とか、遠回しな言い方をしない。
そこがいつも、調子が狂う所で……

あーあ。
顔芸はすれど色の変わることない顔が、赤くなってしまった。
死期を自ら察知し受け入れていた彼に、嘘をつく理由も、それで得るメリットもない。
その言葉は、言葉通りの意味だ。

死神か否か、と言えば間違いなく死神なのだ。
命ある者なら誰もが避けたいであろうはずの一番の不幸、死を告げる凶鳥。
その役は、自ら買って出た。
自分と同じようにはなって欲しくないから。
自分が少し気味悪がられるだけで、結果その人が後悔なく無事に旅立てるなら、そんなものは安いもので。

だからこそ、また同じ後悔を重ねることだけは、避けなければ。

それは、姫の立場にある者が男性に名前を尋ねるのは告白と同じ意味である、という儀礼的なもので、名乗っている名前に何か思ってのことではない。
単に、自分の気持ちを伝えようとしているだけだ。
好きだとも言えずしかもその相手に殺されてしまった、弱く幼かったあの日を繰り返さないために。
そこがいつも、調子が狂う所で……

「……………………」
あーあ。
顔芸はすれど色の変わることない顔が、赤くなってしまった。
死期を自ら察知し受け入れていた彼に、嘘をつく理由も、それで得るメリットもない。
その言葉は、言葉通りの意味だ。

「……いいんですよ、私は死神で、それで。
貴方が後悔のない時間を歩めて、後悔なく旅立てる……その一助になるなら、私は」
死神か否か、と言えば間違いなく死神なのだ。
命ある者なら誰もが避けたいであろうはずの一番の不幸、死を告げる凶鳥。
その役は、自ら買って出た。
自分と同じようにはなって欲しくないから。
自分が少し気味悪がられるだけで、結果その人が後悔なく無事に旅立てるなら、そんなものは安いもので。

「……でもその時は、できる限り遅い方が……いいです。
貴方と一緒にいる時間を……私は、楽しいと……思って、いますから」
だからこそ、また同じ後悔を重ねることだけは、避けなければ。

「…………貴方の、名前をお伺いしても……いいですか?」
それは、姫の立場にある者が男性に名前を尋ねるのは告白と同じ意味である、という儀礼的なもので、名乗っている名前に何か思ってのことではない。
単に、自分の気持ちを伝えようとしているだけだ。
好きだとも言えずしかもその相手に殺されてしまった、弱く幼かったあの日を繰り返さないために。