RECORD

Eno.234 ノア・イトゥドノットの記録

銘:黒漆

無心のまま
只ひたすらに居合や袈裟斬りなど一連の動作を流れるように披露する
やはり、重量のある武器は振っていて落ち着く

無心になってしまえば後は目標を断つのみ
ずっとそうしてきた私にとっては何よりも簡単な事だった
このまま平時でもなれたら生きるのは楽なのだろうけれど…

『……それではいけない、のだろうな』

共に世界を周り色々な物を見て知るにはこの在り方では駄目だろう
この在り方は要所で振る舞えば良い
在り方も幸せも分からないことばかりな以上、永く生きる……否、生かされる事になるだろうからな

『……"黒漆"
…共に世界を見るものとして、宜しく頼むな』
ゆるりと掲げた刀、その切っ先にキラリ、と光が差した



以前、鍛冶神に特注の打刀を頼み
今日、受け取った一振り
鞘などが漆黒で、重量感があり頑丈さは折り紙つき
銘は黒漆くろうるしというそうだ
……凄く、嬉しくなるな
私と共に世界を歩む、私だけの刀となる……正直、とても嬉しくなる

大事にしなければな
…手入れの仕方も、ソラやヨモギ辺りなら知っているかな?
知っていたら教えて貰おう
幾ら頑丈とは言えどぞんざいに扱えば壊れてしまう
永く共にすることになるだろうから…な
日本刀の扱いや戦いに於いて……武人や軍人、侍の其れと較べたら劣るかもしれないが
…頑張って、やってみるよ