RECORD

Eno.634 パペットの記録

手に入れた

肉になったアンヘルは全部が食べられた訳ではなく。
倫理の狂った奴らが蔓延る都心部で、一部を売られていた。
アンヘルと■■を奪われた俺は風の噂だけを頼りに都心部に訪れた事がある。
都心部は、明るくきらきらと栄えているように見せかけていて、酷く気持ちの悪い世界だった。
俺は噂で聞いた”それ”を見つけ、ここに来るまで描いた絵を売り、稼いだ金で”それ”を手に入れた。

悲しかった。涙が止まらなかった。

俺と■■と一緒にいた頃のアンヘルはもういない。
優しくて誰よりも大人で憧れだった。
アンヘルだったものは腕の中に収まっている。

もう絶対に手放しはしない。
これより重いものを持つつもりはない、重くなるのであれば芸術だって捨ててやる。

「愛してたんだ、愚かにも」



「俺達は三人で親友だった」



三人いなきゃ意味ないんだよ。
あの頃のお前はいないのに、縋っちまう。
誰に言うでもなく呟いて、それを油紙に包んだ。