RECORD

Eno.227 アルティナ&アルティカの記録

3 かみさまに出会った日

 いつのことだろうか、俺が幼かった頃のこと。
 恐らく年齢は5歳かそこらか?
 近くの森へ供もつけずに遊びに行ったら、
 案の定迷って。

──そこで俺は、神様に出会った。

  ◇

 不思議な声が聞こえた。成人男性の声だったと思う。
 声は俺に、かわいい子だとか何とか言っていた。
 声は俺に問いかけた、自由の力が欲しいかと。
 俺は何にも考えずにはいと応えた。そしたら、

 身体の内から、力が湧き上がるのを感じた。
 声は風神ガンダリーゼを名乗って、
 俺は神様から力を貰ったのだと知った。
 同時。

《──お前にはこんなもの、要らないよな?》

 何かが欠けるような、抜け落ちるような妙な感覚。
 俺から何かを奪い去って、声も気配も消えてった。
 森から戻った時には既に3日は過ぎていて、
 俺はとても心配されて。

 怒られたけれど、悲しみも罪悪感も湧かないんだ。どうして?
 俺はへらへらしながら、叱られていたんだ。

  ◇

 神様に出会う前の俺は、
 普通に泣いてたし怒ってたんだって。
 神様に出会う前の俺は、もっと人間らしかったんだって。

 神様曰く、自分が俺から奪ったそれは、要らぬという。
 けれどシャルも周りの人たちも、
 それは必要な感情なのだという。

 正しいのは、どちらなのだろう。
 悩むことが出来るようになっただけでも、
 俺は人間らしくなれたということなのかな。