RECORD
Eno.513 西塔彩斗の記録
西塔 彩斗 様
(教科書の様に丁寧な文字が並んでいる)
連絡感謝する。
試練を放棄する以外にも帰れる道があった様で何よりだ。
キミの試練や、家族の元から離れている事についてはシュガーレスも心配していたひとつだ。
心寄せる相手が傍に居たとしても、キミがまだ若く親の庇護下にあるべき事に変わりはない。
自身の安堵できる環境でゆっくり休養をとるといい。
それから、キミには随分と負担を掛けたとは思っているが、シュガーレスの事で責める気持ちは無い。
何方かと言えば、あの日彼女を同席させた私は共犯者であり
キミの行動に甘えたろくでもない大人の一人にすぎない。
それに (書き消された黒いインクの痕)
先に記しておくが、これはキミに彼女への祝福を強制する意図はない。
私から見た見解のひとつとして読んで欲しい。
―キミにとっては、大人の言い訳に聞こえるかもしれないが、私は彼女に起きた変化全てが劣悪なものだとは思っていない。
キミは彼女がフラウィウスに来てすぐの頃をよく知っているだろう。
自身の役目や役職に固執し、他者と関わる事にも慣れていなかった。
綻びとしてキミが違和感を持つ程のものがありながら、変化する事を良しとしなかった事も。
しかし、今の彼女は随分と変わった様に思う。
自身の役目だと口にしていた闘技場から離れる事を望み、明日への希望や未来を積極的に言葉にする。
詭弁に見えるかもしれないが、現状を受け入れしあわせを口にするだけで無く、歩き出せたという事は周囲を見れるという事でもあるのだろう。
繰り返すが、これは彼女の道行きを受け入れてほしいという意図は無い。
納得の出来ないものに頷く必要はない。
けれど、少なくとも私は彼女の言動に生への意味が生まれたと感じた。歩き出す事が出来たのなら、見える景色も変化していくのだと思う。
キミが彼女の母親に託した可能性も、今すぐに芽吹きはせずとも道を増やす為の布石のひとつだろう。
彼女の人生が既に終わった訳でもない以上、私は彼女の友人として在り続けるキミに感謝している。
もうひとつ。
これはシュガーレスの事とは、あまり関係ないが
キミは此方の常識や規則が合わず郷に従えない、と記していた。
勿論、そういった思考は異世界に来る以上、存在するだろう。
しかし、その言葉自体は真理ではなく処世術のひとつとして用いられるものだ。
キミが異世界の風土や常識が合っていないと感じる事を非難する為の言葉ではない。
ろくでもない、と感じたキミの心を否定するものでもない。
大人相手であろうと自身の意見を告げる事の出来るのは恥じる事では無いだろう。
私がキミに多くと話せと言ったのも、此処が異世界人の集まる場所であり、キミの居た世界とは価値観も全てが異なるだろうと思っていた故だ。
様々な常識は入り乱れているが、その場の空気だけで個人の意思全てを図れるものではない。
無理に水質に合わせる必要はない。
だが、その水に居る者達が何故そこに至ったのかは言葉を交えなければわからないものだ。
キミからはどう見えても、その水でしか生きられない事もある。
―読み辛い文になっていたら申し訳ない。
総括すると、異世界の空気に合わないからとキミ自身を否定する必要はない。
しかし、高嶺の花にも手を伸ばせるように、一歩踏み出す事で思いがけない気付きや言葉もある。
己の道が間違っていないか問い続ける事は、誰かを救いたいと思うのであれば必要な事だ。
キミの決定を私は応援している。
体には気を付ける事だ。
PS. 其方も守るべき相手が出来たのならば、尚の事動き始める前に呼吸をし、相手を一番に見る事だ。
悲しませたくも傷つけたくも無いのなら。
トロイア
連絡感謝する。
試練を放棄する以外にも帰れる道があった様で何よりだ。
キミの試練や、家族の元から離れている事についてはシュガーレスも心配していたひとつだ。
心寄せる相手が傍に居たとしても、キミがまだ若く親の庇護下にあるべき事に変わりはない。
自身の安堵できる環境でゆっくり休養をとるといい。
それから、キミには随分と負担を掛けたとは思っているが、シュガーレスの事で責める気持ちは無い。
何方かと言えば、あの日彼女を同席させた私は共犯者であり
キミの行動に甘えたろくでもない大人の一人にすぎない。
それに (書き消された黒いインクの痕)
先に記しておくが、これはキミに彼女への祝福を強制する意図はない。
私から見た見解のひとつとして読んで欲しい。
―キミにとっては、大人の言い訳に聞こえるかもしれないが、私は彼女に起きた変化全てが劣悪なものだとは思っていない。
キミは彼女がフラウィウスに来てすぐの頃をよく知っているだろう。
自身の役目や役職に固執し、他者と関わる事にも慣れていなかった。
綻びとしてキミが違和感を持つ程のものがありながら、変化する事を良しとしなかった事も。
しかし、今の彼女は随分と変わった様に思う。
自身の役目だと口にしていた闘技場から離れる事を望み、明日への希望や未来を積極的に言葉にする。
詭弁に見えるかもしれないが、現状を受け入れしあわせを口にするだけで無く、歩き出せたという事は周囲を見れるという事でもあるのだろう。
繰り返すが、これは彼女の道行きを受け入れてほしいという意図は無い。
納得の出来ないものに頷く必要はない。
けれど、少なくとも私は彼女の言動に生への意味が生まれたと感じた。歩き出す事が出来たのなら、見える景色も変化していくのだと思う。
キミが彼女の母親に託した可能性も、今すぐに芽吹きはせずとも道を増やす為の布石のひとつだろう。
彼女の人生が既に終わった訳でもない以上、私は彼女の友人として在り続けるキミに感謝している。
もうひとつ。
これはシュガーレスの事とは、あまり関係ないが
キミは此方の常識や規則が合わず郷に従えない、と記していた。
勿論、そういった思考は異世界に来る以上、存在するだろう。
しかし、その言葉自体は真理ではなく処世術のひとつとして用いられるものだ。
キミが異世界の風土や常識が合っていないと感じる事を非難する為の言葉ではない。
ろくでもない、と感じたキミの心を否定するものでもない。
大人相手であろうと自身の意見を告げる事の出来るのは恥じる事では無いだろう。
私がキミに多くと話せと言ったのも、此処が異世界人の集まる場所であり、キミの居た世界とは価値観も全てが異なるだろうと思っていた故だ。
様々な常識は入り乱れているが、その場の空気だけで個人の意思全てを図れるものではない。
無理に水質に合わせる必要はない。
だが、その水に居る者達が何故そこに至ったのかは言葉を交えなければわからないものだ。
キミからはどう見えても、その水でしか生きられない事もある。
―読み辛い文になっていたら申し訳ない。
総括すると、異世界の空気に合わないからとキミ自身を否定する必要はない。
しかし、高嶺の花にも手を伸ばせるように、一歩踏み出す事で思いがけない気付きや言葉もある。
己の道が間違っていないか問い続ける事は、誰かを救いたいと思うのであれば必要な事だ。
キミの決定を私は応援している。
体には気を付ける事だ。
PS. 其方も守るべき相手が出来たのならば、尚の事動き始める前に呼吸をし、相手を一番に見る事だ。
悲しませたくも傷つけたくも無いのなら。
トロイア