RECORD

Eno.232 シャルティオ&キィランの記録

29 いつか来る別れの時に

 
 
 兄さんが、姉さんたちからの連絡を貰ってきた。
 魔導王国が戦争になるかも知れないから、戻ってこいって。
 まぁ、帝国が不穏な動きをしているのは分かってた。
 だからね、これは予想出来ていたことだった。

 おにーちゃんもプラエドさんもソラもいなくなるって。
 おにーちゃんは旅行後に戻ってくるみたいだけれど、
 その時にはもう僕はいないかも知れない。
 言える時にお別れを言っておこう。後悔のないように。

 おねーちゃんとリオは寂しがるかも。
 ごめんね、でも僕はどうしても、
 進まなくちゃならないんだ。

 ふたりと約束をした。
 またいつか、会おうって。永遠にひとりにはしないって。
 再会の約束があるから、僕は死なない、死ねない。

  ◇

 近付いてくる別れの時。
 夢が、覚めちゃうな──。

 目が覚めればきっと、冬の空気のような現実が待っている。
 心の中、現実が浸透していく。
 今年の誕生日も、兄さんとふたりきり。

 あぁ、楽しかったな、楽しかったな。
 それでもこの温もりを、永遠に忘れることはないのだろう。