RECORD

Eno.637 ナルシテート・スラミガル・ビビの記録

只人差別

只人差別アンチ・ベースマン

この場合のベースはBase土台という意味でありBasic基礎ではない。
亜人差別アンチ・デミがあるように、亜人達の中にも只人差別アンチ・ベースマンと呼ばれる思想がある。
探索者シーカー迷宮ダンジョンの入り乱れる後天的なファンタジー世界・・・・・・・・・・・・であるこの世界では、只人ヒューマンは全体人口の約1/3を担っている。
その為、種族間での力の強さは数の暴力において只人ヒューマンに軍配が上がる。
が、当然一枚岩ではない。
種族間のみで纏まるというのは乱立する迷宮ダンジョンにおいて厳しい部分があり、特に個体差の激しい亜人種達の協力無しでは海底、活火山、高所や地下に発生した迷宮ダンジョンの駆除は難しい。
能力が良くも悪くも汎用的な人間では、到底到達しきれない場所に発生した迷宮ダンジョンは容易に過剰繁殖を起こし、後に暴走スタンピードを引き起こす。
その為、只人ヒューマン亜人デミは例え見せかけであってもその多くが今の生活と環境を守るため、手を取り合う必要があった。
これが亜人認定協会の起こりであり、種の違う生命達が手を取り合う必要性である。

亜人種の種は多い。
種が多いということは個々の種でそれなりの対立が多いということである。
が、そんな亜人種の中で最近台頭しつつあるのが、只人差別アンチ・ベースマンと呼ばれる思想である。
只人ヒューマンという前人類・・・に対する反感。マイノリティがマジョリティに抱く嫉妬。自身の種への激しい劣等感は、種の中間層であり、最もこの世界の恩恵を受ける種族に向けられ、悪い意味の団結を促しつつある。

「真なる教養とは、人を扱う時頭に亜をつけない事だ」



と言ったのは東の王【パチカス・ピパラチア】であったが、果たしてその教養は只の人を名乗る種自分達こそ人と言いたがる連中にあったのだろうか?
近年亜人の扱いは向上しつつあるが、冬の時代がなくなった訳でも、現在の地位に満足しているものでも無い。
多くの種がひとつの敵を定めた時、いつか数の均衡は破られるのかもしれない。