RECORD

Eno.61 ジュヘナザートの記録

聖女

には造り方がある。

嘗て居た聖女の代わりとして必要だったもの。
既に原理的なものからは大きく遠ざかり、今の”聖女というモノ”がどういったもので
如何なる方法で造られているかを知る者は殆ど居ない。
外聞には、代々続く襲名制のようにしてある『聖女』の存在までしか知られてはいないからだ。

嘗ての魂を入れ込む肉の器。
聖女に相応しいまでの祈りの力を持つ修道女を用意して、祈りに必要とされるもの以外を簒奪する。

耳は要らない。
眼は要らない。
喉は要らない。
足は要らない。

自我は要らない。

与されるのは役割と名前だけ。

そうして出来る、祈りが為だけの肉人形。
それが、今の聖女という物。


「だから言ったろ」
「あたしは聖女なんかじゃねえって」