RECORD

Eno.5 劉 光龍の記録

◇鳥籠、横から見るか上から見るか

『姫様』の記憶を思い出してから30年は、王子であったり、家臣達であったり、当時の人々を延々と探していた。
あの時言えなかったありがとうと、巻き込んでしまってごめんなさいを伝えるために。

『王子様』、あなた・・・のことは本当に好きでしたよ。
また会えて本当に嬉しかった。
あの崖の続きがもしあったら、そんな暖かな時間を感じることができました。
でもあなたは、姫様と話すことを拒み、真実を求める私と事なかれのあなたの間には、時間が経つにつれ大きな差ができましたね。
素敵なあなた・・・・・・の正体は、素敵なスタッフ達が作り上げた素敵な夢で……その夢こそが……皆の愛であったと、今は理解しています。


命を懸けたものが幻覚でも、私は姫様であり続けたかった。
もうダメだとわかっていても、命を懸けて付いてきてくれた人達がいたから。
大切に育ててくれた……父上が、みんながいたから。
愛してくれた人がいたから。
でも
だからこそ、決別しなければいけない。
いつまでも……過去の、愛しく優しい鳥籠の中に……留まっていては、いけない。

父上


……どうか、良い旅を。












「……あのう、それ、意味わかって言ってます……?
私が行く未舗装の覇道に……王配としてついて来ちゃうって意味ですよ……??
……雪の体は一般人ですから、物理的に国があるわけではありませんけど……」


時間は前にしか進まない。
人はいつでも、未知に踏み出さなければいけない。
過去は過去、過ぎ去ったもの。
父上には父上の道があり、みんなにはみんなの道があり、私にも……私の道がある。

「貴方がその気なら……私も心を焚べましょう。
……貴方に幸せがあるように。
貴方に……その誓いを果たせる、時間があるように……揃いのネックレスに、一番強い魔法・・・・・・を」

「貴方に……私の全てを」