RECORD

Eno.385 李家 蓮華の記録

旅行先からの手紙

慎へ

旅行に出てから三日と少し、
流石にまだ堪えが利かなくなるころではないとは思うが
そろそろ彼恋しくなってきた頃かと思うので、手紙にて
近況を知らせる事にする。少しでも安心になれば幸いだ。

こちらは楽しくやっている。蓮華は目に付くものを色々
と珍しがってきょろきょろとしている様子がとても愛ら
しい。ノーウェアやアルアについても書きたいところだ
が、お前はきっと興味のないところだから割愛しておく。
宿に泊まって といっても知人の手配だが、きっとお前
たちの故郷の宿とは違ったのだろうか、あの子はとても
興味深そうにして、お前にも見せたかったと言っていた。
勿論、寝床は別にしているので余計な心配はしないこと。

コンビニのおにぎりが気に入っているようで、よく食べ
ている。私には少し難しい食べ物だが、確かおにぎりは
お前たちの祖国にもあった筈だからきっと慣れているの
だろう、器用に袋を開けるので俺やアルアは大助かりだ。
お前に持って帰りたいと土産にするつもりで鞄に入れか
けていたが、食べ物なので一応止めてはおいた。私とし
ても面白いものと思うので忘れずに帰る前にでも買わせ
ることにするよ。楽しみにしていなさい。
あとはうどんを食べた、美味かった。少し不思議に思う
がアレはきつねというのに、実際のところ、狐が入って
いるわけでないんだな。なんでだ?
それから、焼肉は大層喜びよく食べていた。といっても、
多分一番喜んでいたのは、あれは食後のアイスだろうな。
俺の分まで食わせたから満足はしたとは思うが。
まあ、ともかく。よく食べて、よく楽しんでいるよ。

明日は皆で温泉に行く予定だ。また時期を見て手紙を送
ることにする。一週間後くらいが丁度良いだろう。
こちらは心配いらないので、お前もあまり自棄にならず
大人しくして、良い子で酒場の皆と仲良く過ごすこと。
土産の希望があれば返事を寄越しなさい。
そちらの配達人は優秀のようだから、受付に渡せばきち
んとこちらに届けてくれるだろう。

あの子もお前に手紙を書きたがったから、写真と一緒に
同封しておく。 くれぐれも、ただ見るだけに留める事。

プラエド


(流暢な筆跡で書かれた手紙だ。
 食事中の彼を収めた写真が一枚と、手紙がもう一通同封されている)



『慎へ
旅行に来て3日経ったが、そちらは元気にしているだろうか。
俺の方は…なんだかんだ、悪くない時間を過ごしているよ。
こちらはフラウィウスとはまた違ったものが多く、目を奪われてしまうのだが。君にも見せたいものばかりだ。
食事は祖国のものと近いな。洋食や酒場にあるものも多く見受けられる。
ただ、そうだな…この街は眠らず、といった印象を受ける。静かな時間がほとんどなく、夜空を見上げても星が全く見えない。

さて、俺がいなくても君が大丈夫か気になるところだが。早くまた君に会いたいよ。
では、体に気をつけてくれ。

            李家 蓮華』