RECORD

Eno.3 マイリーの記録

Dear Miley(2)

オレが見えてるな? 喰っちまうぞ御嬢ちゃん!



御嬢へ最初に言ったのはそんな言葉。
誰も居ない森の中、一人でふらふら歩いていた子供がオレを見つけると
人形のように表情を変えず目で追って来たからだ。

そんな子供らしくない子供を少し驚かせてやろうとした。

オレのような霊が見える者は稀に居る。
ただ、淡い光のようだったり、靄のようだったりするのか、
ハッキリと見て会話出来る奴とは出会った事が無かった。
だからソレもほんの気まぐれ。反応なんてハナから期待していなかった。

「おなかが空いてるの?」

その子供は確かにオレのひとつしかない目をしっかりと見ながらそう答えた。
驚くのはオレの方だった。


それから毎日その子供は森に来た。
呼び方が『御嬢ちゃん』から少しくだけて『御嬢』となるぐらいには会話を共にした。