RECORD

Eno.423 モルドの記録

ただいまのあとのティータイム

「お茶を淹れたわ」

「わ~い」

「アップルパイと一緒に、頂きましょうか」

「すみません…、二つしか残してなくて……」

「いいわ。二つあれば二人で食べられるもの。
 それに、あなたがもらったものでしょう?」

「えへへ…、嬉しいのとおいしそうなのとで、
 帰る前に、つい四つも食べてしまいました」

「きっと、そのほうが贈った人も喜ぶはずよ。
 でも、私にも残していてくれてありがとう」

「ドライベリーもあるんです。
 甘酸っぱくて、こちらもおいしいですよ~」

「じゃあ、そちらも少し頂くわね」


・ ・ ・


「お嬢様、お茶を淹れるのが
 さらに上手になりました?」

「おいしい? それはきっと、
 この素敵なカップのおかげじゃないかしら」

「色もお月さまの模様もおしゃれですよね~」


・ ・ ・


「綺麗な薔薇も頂いたのね」

「ね! 格好いいでしょう~。
 …僕のあげたもの、釣り合ってないかも…」

「あなたはどんなものを贈ったの?」

「えぇと、食品のコーナーを探しまして……」


・ ・ ・


「あら、可愛らしい飾り。きらきらだわ…」

「ふふふ~。お守りなんです~。
 どこに付けようか迷ってて……」

「紐と小さい巾着をつけて、首飾りはどう?」

「おぉ~。それなら身に付けておけますね」

「あとで作りましょう。紐は何色にする?」

「じゃあ、白い色の……」


・ ・ ・


「ねぇ、モルド」

「なんでしょう」

「いい出会いをしたのね」

「…はいっ。素敵なお友だちができたんです」

「それに、強くなったように見えるわ」

「えへへ。勇気をもらって、頑張れましたぁ」

「……私も」

「?」

「私も、頑張るから。
 だから明日は、私の話を聞いてね」

「あっ、すみません、僕の話ばかり……」

「うぅん。今日はあなたの話を聞きたかったの。
 ……おかげで、きっと私も、勇気を出せるわ」

「えーと…? なんのお話でしょう」

「明日するお話よ。さぁ、今はお片付け」

「はーい……じゃない! 僕の仕事ですってば。
 お嬢様は座っててくださぁい」

「いいじゃない。二人でやりましょう」

「もぉ~」


・ ・ ・

メイドとお嬢様の物語のエピローグ。
もしくは、二人の物語のプロローグ。