RECORD

Eno.637 ナルシテート・スラミガル・ビビの記録

偏執

「覚悟を決めないといけません」
「ガキに傷を膿み腐らせていいよなんて」
「言えないでしょう。
言えませんよ。
アタシだってそうなのに

自覚があり、理解があり、停止があった。

「……息ができない」
「胸が痛い」
「頭も痛い」
「怖い」

諦めがあり、恐怖があり、贖罪があった。

「アタシは……は……」
「これからどうあるとしても、今のままで……いい訳が……」

膿みがあり、傷があり、腐乱している。
骨まで見えて、五臓六腑が傷んでいる。

私とフィアールカは家族では無い。
そうはならない。絶対に


代用にはなれない。真なる家族にもなれない。
そういうものじゃない。
そんな風にはなれない。
傷は深々としたままで、痛みさえあればいい。
故人を忘れない為にトラウマ苦しみが必要だった。

「ジゼル、カルラ、マルチェラ……私は……どうしたらいいんだろうね」

言い逃れのできない偏執のひとつトラウマへの執着だった。
偏執はひとつとは限らない。