RECORD
Eno.637 ナルシテート・スラミガル・ビビの記録
発見
幾つか話を聞き、ナルシテが異世界へ向かったことを知った。
なるほど、確かにこの領地を出ては行けないとは言ったが、この世界を出ては行けないとは言っていなかった。
しかし子供でも分かることなんだが、それは屁理屈だ。領地から出るな=ここを離れるな、という意図をくめない大人ではないとラデュレは彼を思っている。
つまりは意図的に無視したか、あるいは耐えがたかった衝動に負けたか。
ラデュレは後者だろう、と推測した。
あの方の偏執は根深く、変質しかけた心は既に狂人の1歩手前にある。
それを止めるのが自分の役目だとも。

真面目な方だから、きっと帰ってくるだろう。
筋を通したがる竜だった。正しく、不平等に憤れる竜だった。
自分を人だと勘違いしている竜だった。
過ちは質さねばなるまい。
ラデュレは彼の館に滞在しながら、件のゲートが開かれるのを待つ。
開かない、とは思わなかった。
必ず来る確信がある。
だから、そう。
きっとあと少しで、あなたは帰ってくる。
それだけが確かだ。
なるほど、確かにこの領地を出ては行けないとは言ったが、この世界を出ては行けないとは言っていなかった。
しかし子供でも分かることなんだが、それは屁理屈だ。領地から出るな=ここを離れるな、という意図をくめない大人ではないとラデュレは彼を思っている。
つまりは意図的に無視したか、あるいは耐えがたかった衝動に負けたか。
ラデュレは後者だろう、と推測した。
あの方の偏執は根深く、変質しかけた心は既に狂人の1歩手前にある。
それを止めるのが自分の役目だとも。

「みつけた」
真面目な方だから、きっと帰ってくるだろう。
筋を通したがる竜だった。正しく、不平等に憤れる竜だった。
自分を人だと勘違いしている竜だった。
過ちは質さねばなるまい。
ラデュレは彼の館に滞在しながら、件のゲートが開かれるのを待つ。
開かない、とは思わなかった。
必ず来る確信がある。
だから、そう。
きっとあと少しで、あなたは帰ってくる。
それだけが確かだ。