RECORD

Eno.346 レブン・レヴンの記録

秘密

男にとって、それは初めての隠し事。
彼女が知ったら、どうするだろうか。
という事を考えた時に、一旦黙っておくという選択肢を取った。

どうしても、愛する彼女を悲しませたくない、という想いがあった。
それを知った時、彼女がどうするか分からなかった、というのもある。
自分が決断した事であれば、彼女は受け入れてくれるだろうが、
それでも一旦は自分のうちに留めておくことにした。

それは、罪滅ぼしであり、救済である。
ただ、それだけでは、きっと救われない。
何か、納得するだけの理由が無ければ、賢い者であれば、
優しい者であれば、きっと罪悪感に押しつぶされてしまうだろう。

そうなる前に、誰かが支えてくれれば、と思う。
自分が接触してもいいかどうか、かつて、自らが罪を犯し、
そして赦された――許してはいないだろうシスターに、
聞いてみるべきだろうか。

思考する。
人喰いに、良い感情を抱かないというのは本当だ。
だが、もしも、自分が見たあの子がそうなら――。

まだ、人を襲ってはいないだろうあの子を、
不死である自分を犠牲に、救えるのであれば、
それは、贖罪となるのではないか。