RECORD

Eno.61 ジュヘナザートの記録

自覚と無自覚

 
傷口が膿んでしまったからと
その周りの肉ごと削ぎ落としてしまう真似は、精神に対してあまりに暴力的だ。
肉体と同じ様に衰弱し、根腐れし、そうした腐敗がやがて内々を侵していくというのに、
こと精神に至っては何がきっかけで致命傷になるだの手遅れになるだのは分からない。

ただ、言ってしまうならば。
精神の腐敗と言うのは時に肉体のそれよりも治りが遅いもので。
どうしても癒されない様にとしてしまう者と言うのは存外と多い。

そうしたあたしの所での偏執病とは精神疾患であり、
脳疾患までも伴う悪質な────いや、余談が過ぎるか。
別にあたしも頭痛は患っちゃいないし。


ただ、
……ただ。


人の腹を裂くのも触手を総て斬り落とすのも腕を斬り落とすのもどれもこれも大体が同じでさしたる変わりがないだなんて過ぎるのが悪質で悪癖だと言うのは分かっているしましてや其れに他人を巻き込むなんてのも最低だと言うのは分かっている下手な偽善や完遂もできやしない害ある善意を振り撒く位なら今まで通り初めから何事も無いとして話すまでもなく終わらせてやれば頭で理解している癖に情動で動くのはあまりに愚かだと言うことを




……本当に分かってるんですか?